「野良猫一座物語」~テーマ曲~
音楽:酔いどれ兄さん

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第十章・非暴力宣言

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ヤジさん、こんな事をしていてはいけません。
この二人を殴りたいのなら、私を殴りなさい!!」
非暴力の犬

予想外の展開に戸惑うどっけんナイスガイ権兵衛

「誰だよ、あのおっさんは?」
どっけんが聞く。

「おっさんなんて失礼ですよ。」
ナイスガイ権兵衛は、ガンジーと呼ばれた男に不思議と共感する思いがした。

なんとなく似ているような気がする…、自分の外見とも雰囲気とも優しさとも。

「くそっ、ガンジー、いずれは決着をつけてやるぜ!」
いずれは決着を!

ヤジさんははそう言い放つと、唾を吐き出し後ろ向きに呟いた。

ガンジー、お前ほどの男が何故その強さを無駄にする?
所詮は弱肉強食の世の中だぜ?勿体ねぇと思わねぇのかい?」

聞いてはみたけれど、答えを待たずに去って行く。

多数の影が動き出し、どっけんナイスガイ権兵衛は一瞬ドキリとした。
強面の犬達が、続々とヤジさんの後を追従していったのだ。

無数の犬達に囲まれていたのか。
どうやら、このガンジーという犬のおかげで、命拾いをしたようだ。

「おっさん、ありがとな。」
どっけんは相変わらず馴れ馴れしい。

どっけんさん、失礼ですよ!ガンジーさん、本当にご迷惑おかけしました。」
ナイスガイ権兵衛はやけに緊張していた。

「いえいえ、私は当然の事をしたまでです。
ヤジさんやキタさん、そして野良猫一座の問題も知っています。

しかし、暴力では何も解決できない。
いつの日にか、この世から暴力がなくなる事を望んでいるだけです。
しかし、あなた達二人の目には輝きを感じますねぇ。

婆ミヤンさんの言う事も強(あなが)ち嘘では無さそうです。」

なるほど婆ミヤンは、ヤジキタの怖さを知っていてガンジーに伝えておいてくれたのだろう。

暴力では何も解決できません。

「危険ですから、ここに来る時は先に伝えてくださぃ。
黒猫のヤマトさんに頼めば、すぐに届けてくれる。では。」

ガンジーは去って行った。
優しい微笑みを二人に残して、ゆっくりとゆっくりと。

野良猫一座物語-第一部、完

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ガンジー
-ガンジー-
非暴力・非服従を貫き通す犬「ガンジー」。
彼が吠えるのを見た者は居ない。会う度に「こんにちは」と挨拶する礼儀正しさ。。
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ヤジさん
-ヤジさん-
南の犬界を圧倒的な暴力で支配する「ヤジキタコンビ」の、ヤジさん。
凶暴なる性格ゆえに、「炎のヤジ」という異名を持つ。
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ナイスガイ権兵衛
-ナイスガイ権兵衛-
2005年・秋、この田舎に辿り付いた。
いいヤツだが…名無しだった為「ナイスガイ権兵衛」と命名。
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どっけん
-どっけん-
柴犬メス…しかし自分の事を人間だと信じている。
自分が一番偉いと思っているが、この抗争で成長して…。
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長老・婆ミヤン
-長老・婆ミヤン-
犬界の長老で、過去から現在の全てを知り、未来予知も出来るという。
犬は勿論、猫の大物たちでさえ、彼女には逆らえない。
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黒猫のヤマト
-黒猫のヤマト-
「野良猫一座」のお届け係。
様々な情報や友好関係など広いネットワークを持つ。
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