「野良猫一座物語」~テーマ曲~
音楽:酔いどれ兄さん

上の音楽を再生しながら読むと、尚、物語を楽しむことができます(^^)

第八章・恐怖

老朽化の激しい「旅犬猫専用」の宿。
隙間風の冷たさに、昼の木枯らしを思う。

独眼猫政宗の姿が脳裏から離れない。
あの眼、あの声、あの風貌。

「北からの風に左眼がうずく」と彼は言った。
野良猫一座との関係は、間違いなく彼に深い傷を負わせている。
無論、左眼などにではなく「心」にだ。
何があったのかは解らないが。

夢に片目の猫が現れては消えたが、やはり夢の中でも彼はほとんど喋らなかった。

寝不足の朝を迎え、目を擦りながら宿賃を払い、本来の目的である「謎の白い影」を探すべく外に出る。
昨日の雨は何処へ行ったのだろう、青い空と真っ白な雲が二人を出迎えた。

「よっしゃ、政宗はヤジキタとか言ってたよな?聞き込み開始しようぜ!」
「はい!」
晴天が、心の中にある薄暗い雲を追い払ってくれたようだ。

小さな川に、鳥らしき姿があった。
「ねぇ、あんた達さぁヤジキタって知ってるぅ?」どっけんが聞いてみた。
すると…
カモられ隊

「ひゃぁ~!!」
逃げ足の早さは一級品だった。
「また、カモられると思ったんじゃないでしょうか?」とナイスガイ権兵衛
「今のはカモられ隊だったなぁ」

しかし「ヤジキタ」という言葉を聞くだけで、道行く者たちは逃げていく。
子八木さん

子八木さんでさえも一目散だ。
どうなっているのか、「ヤジキタ」ってなんだ?

刹那、背後に何者かが忍び寄るような気配が!!
誰だ!!
Yukiおじさん

自称「Yukiおじさん」と名乗るおじさんだった。
「あんた達、ヤジキタコンビを探してるのかい?やめた方が身の為だ…」

コンビ?って事は二人組みなのか。

そう言った後、Yukiおじさんの目に怯えが走った。
「や、やばい!」
Yukiおじさん

指差した後、一瞬にしてYukiおじさんの姿は消えていた…。
さすがYukiおじさんの逃げ足の速さも一級品だった。

そのYukiおじさんが指差さした方向に居たのは。

この犬の正体は??

ボスの縄張りを嗅ぎまわってたのは、あの犬だ。
二人は確信した。

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この章の出演者

独眼猫正宗
-独眼猫正宗-
野良猫一座の幹部であった過去を持つ。
猫目雅子を愛し、鬼猫院を尊敬していたが、己のけじめを貫き通し、堅気の猫となる。
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ナイスガイ権兵衛
-ナイスガイ権兵衛-
2005年・秋、この田舎に辿り付いた。
いいヤツだが…名無しだった為「ナイスガイ権兵衛」と命名。
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どっけん
-どっけん-
柴犬メス…しかし自分の事を人間だと信じている。
自分が一番偉いと思っているが、この抗争で成長して…。
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カモられ隊
-カモられ隊-
見ての通り、団体行動を得意とする鴨たち。よくカモにされるので、常に警戒している。
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子八木さん
-子八木さん-
普通の子ヤギさん。草食なので臆病だろうと勝手に推測される。
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Yukiおじさん
-Yukiおじさん-
見たところ、普通のおじさんに見えるが。
物語中に「自称Yukiおじさん」というアドリブを入れ、話題となった。
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ボス
-ボス-
その名の通り、誰もが尊敬する「ボス」。
子分「ナイスガイ権兵衛」が一座の罠にかかり、黙っていられる訳にはいかなかった。
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愛しの出演者たち