「野良猫一座物語」~猫目雅子テーマ曲~
音楽:酔いどれ兄さん

上の動画を再生しながら読むと、尚、物語を楽しむことができます(^^)
第二部から登場する、人気キャラ猫目雅子のテーマ曲が流れます。

第十三章・猫目雅子、白

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黒猫のヤマトタンゴ親子の話を聞いた翌日。

空は青く、どっけんナイスガイ権兵衛は、冬だと言うのに春が来たような、その陽気を満喫していた。

白い蝶が舞う。

蝶々夫人


やはり春が間違えてやって来たようだ。
二人はそんな話をしながら、その白い蝶を何気なく目で追った。

その先に。

暖かい陽射しを受け、慈愛に満ちた表情で、その蝶を眺める猫がいた。

もっと白く美しい姿で。

猫目雅子、登場


あまりの美しさに息を呑む。

そこに居るのは、まぎれもなく、あの猫目雅子だ。

野良猫一座の看板女優猫、そして猫や犬の間で知らぬ者など誰もいない、大スター。

どっけんは勇気を出して、声をかけてみた。

猫目雅子さん、だよね?」

お二人を探していました


どっけんさんとナイスガイ権兵衛さんですよね?
黒猫のヤマトからお話は聞いています。」

黒猫のヤマトも、今の状況をなんとかしたかったのだろう。
彼も何かが狂っているように感じているのだ。

それなら話は早い。

独眼猫政宗、そして「座長・鬼猫院」、そして…、
野良猫一座とボス犬軍団とヤジキタコンビとの三つ巴の抗争…。
どうなってるのかを聞きたいんだ。」
どっけんの質問に丁寧に答える猫目雅子。

座長の鬼猫院は、とてもいいお方。奥様の勘違いから起きた騒動だと思います。」
猫目雅子はゆっくりと続ける。

「私は孤児でした。両親とはぐれ、道端で倒れていた私を拾い上げてくれたのが、鬼猫院です。
彼は義理の父となり、私を本当の娘のように可愛がってくださいました。」

それが仇となってしまったのだ、と彼女は続けた。

鬼猫院の奥様が、私達の関係を男女の愛と勘違いされてしまいました。
すべて私の責任なのかもしれません…。」

一座の男の「子供」を産んだ女猫たちは、遠方島流しとなり奴隷になるという掟。
それは嫉妬に狂った鬼猫院の女房の、二人に対する見せしめだったのか。
抑えきれぬ激情、それはやり場のない恨みと怒り。

看板女優猫になった猫目雅子には、傷はつけられぬ。

私の責任かもしれません


だから…、一座の男の女房たちへとその矛先は向かったのだ。

猫、犬、人間…誰もが持つ哀しみや憎しみ…何故そんな感情があるのだろう?

猫目雅子が、悲しそうに聞いた。

政宗様はお元気でしたか?」

政宗様はお元気でしたか?


青かった空に少しだけ、灰色の雲が広がり始めた午後に。

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この章の出演者

猫目雅子
-猫目雅子-
野良猫一座の看板女優であり、世界的大スター。
白く美しい毛並みと、その瞳の純粋さ。
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座長「鬼猫院」
-座長「鬼猫院」-
旅役者「野良猫一座」座長。
優しさと厳しさを兼ね備えた、リーダーとして完璧な猫。
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独眼猫正宗
-独眼猫正宗-
野良猫一座の幹部であった過去を持つ。
猫目雅子を愛し、鬼猫院を尊敬していたが、己のけじめを貫き通し、堅気の猫となる。
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蝶々夫人
-蝶々夫人-
白色の蝶々夫人。
蝶々と言えば、美しく可憐なイメージ。
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どっけん
-どっけん-
柴犬メス…しかし自分の事を人間だと信じている。
自分が一番偉いと思っているが、この抗争で成長して…。
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ナイスガイ権兵衛
-ナイスガイ権兵衛-
2005年・秋、この田舎に辿り付いた。
いいヤツだが…名無しだった為「ナイスガイ権兵衛」と命名。
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黒猫のヤマト
-黒猫のヤマト-
「野良猫一座」のお届け係。
様々な情報や友好関係など広いネットワークを持つ。
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黒猫のタンゴ
-黒猫のタンゴ-
「黒猫のヤマト」の実の娘であり、野良猫一座には属さない。
一座については、ヤマトが隠し続けている為に知らないのだ。
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ボス
-ボス-
その名の通り、誰もが尊敬する「ボス」。
子分「ナイスガイ権兵衛」が一座の罠にかかり、黙っていられる訳にはいかなかった。
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ヤジさん
-ヤジさん-
南の犬界を圧倒的な暴力で支配する「ヤジキタコンビ」の、ヤジさん。
凶暴なる性格ゆえに、「炎のヤジ」という異名を持つ。
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